労働問題、労使トラブル、障害年金手続、国民年金の障害年金|神戸労働法律研究所

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国民年金の障害年金
前章の障害年金手続でお話した通り、国民年金の障害年金(以下、障害基礎年金)は、自営業者と会社員や学生のための障害年金です。 (会社員の方は次章で紹介する厚生年金の障害年金(障害厚生年金)を参照ください。 また、共済組合に加入されている方は共済組合の障害年金(障害共済年金)となります。)
障害基礎年金はどうすればもらえるか?
障害基礎年金を受給するには、所定の要件を満たした上で社会保険事務所に受給申請をする必要があります。
所定の要件に該当しなければ障害基礎年金は受給できません。
労災の場合は、会社が労働保険料を全額負担で国に支払い、死亡や所定の障害状態に該当したときに受給できます。労働者保護の観点から、万が一会社が労災未加入であったとしても特例的な救済措置により事後労災に加入することができ、労災補償が行なわれます
事後の加入になることから『保険の逆選択』(事故があってから保険に入ることを認めると、事故がない人は保険に入らなくなってしまい、保険の相互扶助による救済効果がなくなる。⇒保険財政が破綻する。)を認めることになり、通常ありえない措置ですが、国としては、働いた瞬間から従業員は労災保険の適用であり、労基法上の会社の災害補償の観点から見ても従業員に対しては補償すべきとのことからこれを認めています
これは、従業員からすると、従業員自身は保険料負担がなく、当然加入しているものと思っていても会社側の隠匿により、労災未加入であった場合は会社としての責任はあるが、従業員の責任はなしとの見方をするためです。 ただし、この場合、当然会社に対しては追徴的な労災保険料は課金されます
このようにして労災の場合は事後加入が可能であり、労災補償がなされます
一方、今回テーマとなる障害基礎年金は国民年金の被保険者に対して支給される制度です。当然といえば当然ですが、国民年金の被保険者でない(20歳前の未成年者、老齢年金の受給資格者、厚生年金・共済年金の被保険者を除く)方には支給されません
我が国は昭和36年に国民皆年金制度が構築されました。原則20歳以上60歳未満の日本国内に住んでいる方は、何らかの社会保険制度に強制加入しており、所定の障害状態に該当すれば、何らかの社会保険制度から障害年金を受給することができます。
余談ですが、難民保護法の制定により国籍要件も撤廃され、受給するには日本国民である必要はなく、日本に住居を有していれば我が国の社会保険制度の対象者となります。
この社会保険制度から支給されるのが、障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金です。 よって、日本国内に住んでいればこれらの障害年金は受給できるのですが、なかには受給できない方もいます。
これが最近よく報道されている国民年金未加入者です。本来強制加入が原則ですので、先にお話した原則20歳以上60歳未満の自営業者は国民年金制度に加入しています。ただ、保険料を滞納していたり、手続きを怠っているなどして保険料を支払っていない間に事故に遭遇した場合は、本来受給できるはずの障害基礎年金が受給できなくなります
もし読者の方で国民年金を未納・滞納されている場合は、納付手続きするか、家計が苦しい場合は免除申請ができますので、速やかに手続きされることをお勧めします。年金とは老後にもらえるものばかりではなく、障害や死亡した場合にも支給されるものです。民間の生命保険に加入する前に公的保険を今一度見直してみてください。
では、具体的に障害基礎年金の支給要件をみていきましょう。 障害基礎年金は次の[1]~[3]のすべてを満たした方が受給できます。
  1. 初診日において次のいずれかに該当していること。
    • 被保険者の方。
    • 被保険者であった方で、日本国内に居住する60~65歳未満の方
  2. 障害認定日に、その傷病により障害等級1級または2級に該当していること。
  3. 初診日の前日における保険料納付要件を満たしていること。
[3]の『初診日の前日における』とは、少なくとも傷病を負う日の前日に国民年金に加入していないと障害基礎年金はもらえない(上記の『保険の逆選択』)という意味です。
また、『保険料納付要件』とは、被保険者期間のうち、保険料を納付した期間+(もしあれば)正式な免除期間を合算した期間が少なくとも2/3以上ないと障害基礎年金はもらえないという意味です。(ただし、特例的な措置により、当分の間は過去1年間に国民年金保険料の滞納がなければ保険料納付要件を満たしているとされます。)
いずれにしても従業員の方で会社が厚生年金に加入している場合は、自動的に上記の国民年金の保険料納付要件は概ね満たしているといえます。
今回は、労災請求にからめた解説ですので、国民年金の被保険者でない未成年者の方に支給される20歳前障害基礎年金については割愛します。お知りになりたい方は個別にご連絡ください。
障害基礎年金は、労災申請とは届出先も異なります。
申請の種別
届出先
労災
労働基準監督署
国民年金
社会保険事務所
厚生年金
労災と社会保険では障害等級が異なることがある。
同一の障害を負ったのに、社会保険事務所と労働基準監督署の裁定した障害等級が異なることがあります。これは、障害基礎年金、障害厚生年金の障害等級は社会保険事務所の選定する医師が等級づけを行ない、労災の障害等級は労働基準監督署の選定する医師が等級づけを行なうために生じています。
大きく差がつくことはないにしても労災で障害等級2級であったとしても障害基礎年金、障害厚生年金で障害等級3級ということがしばしばあります。これは、診断のタイミングのズレや医師の所見に差があることが要因ですが、この決定に不服がある場合は不服申し立てができます。(不服申し立てについては改めて解説します。)
次項では、厚生年金の障害年金(障害厚生年金)についてお話してまいります。

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