第3話 整備

 

第3話では車検前の重要整備項目と今回私が交換したタイヤとブレーキパッドについて写真つきで解説したいと思います。

日頃から整備してたらあんまし関係ありませんが、乗りっぱなしなら車検という節目に愛車の診断をしといた方が何かと安心です。私の場合、2年間の走行距離は7,000km。2年前はレストアしただけあって、各部消耗品は全て新品状態でした。この2年間での整備は3,500km時点でエンジンを交換、4,000km時点でオイル交換、6,000km時点でリヤブレーキパッドとプラグ交換、6,500km時点でバッテリチャージしました。その他は都度ブレーキフルードの交換やエアクリーナの掃除などの一般的に「愛車をいたわる」程度の整備です。今回の車検を機に、初回に履いたTT900GPもリアは残り0.5mm、フロントも1.5mmとなり、2シーズン跨いだので交換することにしました。フロントブレーキパッドも残り1mmなので交換。但し車検日に間に合わず残り1mmのまま車検を通しました。

車検を受けるにあたって整備する項目は、第2話予約&必要書類で紹介した定期点検整備記録簿を元に行いますが、車検場で実際にチェックされる箇所を下記の表にまとめてみました。

外観 一目見て汚れていたり、割れたFRPパーツをフォローしてない単車は論外です。洗車は整備の基本ですからね。洗車の時にオイルモレやボルト&ナット類の緩み、チェーンの伸びをチェックしてください。
タイヤの溝 目視で概ね2mmくらいなら交換してください。溝のないタイヤでは良いこと一つもないですからね。コワイし。
ブレーキパッドの残量 1mm未満だと車検は通りません。それに1mmしかないパッドで走ってて、知らない間にローターガリガリ状態も嫌だし、1mm切る前に交換しましょう。
チェーンの伸び 跨った状態で、1.5cm〜2cmのたわみをつけて調整してください。
灯火類のチェック 前照灯のHi-Low,前後左右のウィンカー,テールランプ,前後ブレーキのブレーキランプをチェックしてください。
光軸 前照灯の光軸です。確実なのは車検場近くによくあるテスター屋で事前に調整しておくことですが、当日もし光軸があわなくて車検に落ちても、すぐ調整して再トライできます。光軸調整するドライバーを持参すれば問題ないと思います。
スピードメーター 普通、走っていて動くようなら問題ありません。もしそれで落ちたら腐ってるんですな。そのメーター・・・

ご覧になってもお分かり戴けるように、私たちシロウトさんでもこのくらいは十分できます。昔でてたデルタックス(知ってる人いる?)作れるパフォーマンスがあれば怖い物ありませんよ。では今回私がやったタイヤ交換と車検後になりますがブレーキパッド交換を紹介します。

 

タイヤ交換

といっても、そんな大した写真じゃござんせん・・・

今回のセレクションは前回と同じく、DUNLOPのTT900GPです。このタイヤはレースシーンでもまたツアラーユースでもオールラウンドに使えるスグレモノです。グリップ力抜群で排水性も高く、雨天走行でも不安感はありません。ちょうど2年間で減ってくれる私にはピッタシのいいタイヤですな。

フロント110/80−17はこんな感じ

リヤ150/70−80はこんな感じです。

リヤホイールを外して、ムシを抜いて

タイヤ脱着機にセットします。

そしたらビートを落として

タイヤを外します。
 
この機会にローターの摩耗度,ホイールベアリングの動きやスプロケットの摩耗度,また4ストの場合はダンパーラバーのへたりをチェックしておきましょう。ベアリングの取り外しはベアリングプーラーがあれば理想ですが、ビンボな私はそんなイイモノ持ってません。私は「打ち抜き派」です。(^^;;;)

 
さて・・・擦り減ったタイヤと新しいタイヤ・・・違いますな、だいぶ。
フロント・・・ ・・・そしてリヤ

 
では組み付けです。ビートが出易いようにビートクリームを塗布して、ホイールのバルブとタイヤの黄色の○印を進行方向に気をつけながら合わせます。エアを充填し、ビートが出たらホイールバランサーでバランス取りしましょう。

 

ブレーキパッド交換&キャリパーオーバーホール

2年前にキャリパーオーバーホールしてから2シーズン7,000kmを走行し、パッドカスやごみが付着しているのでオーバーホールすることにしました。でもビンボな私はキャリパーシールとダストシールの交換を見送ってしまいました。開けてみたら「あ、ダイジョブダイジョブ・・・」(^^;;;) みなさんはオーバーホールしたときは必ず交換しましょうね!

あんまり迷わず純正品にしました。ホントはBIG-1の足回りを装着したいんですが、モノはまだ高嶺の花。それか今持ってる’93NSRの対向ピストン付けたい。おそらくアウターはCB400SFと共通部品で市販のキャリパーサポートが使える・・・と思ったけど、左側には’80年代に流行ったアンチノーズダイブがついててダメなんですよね。とりあえず純正品でいこう・・・か。

実は・・・整備に夢中になってて、途中の写真撮るの忘れてました。m_ _m

 
これは既にオーバーホールしてキレイキレイにしたとこなんですが・・・
2POTなので、使ってたパッド1枚を対向の「向こう側」に当ててから、キャリパーをウエスで包んだ後、エア圧でピストンを押し出します。モチロン組み付けた状態で油圧で押し出してもいいですが、左右いっぺんにやるとフルードがベチャッとモレるのも嫌だし、コチャッキーしてるのがいたら結局エアガンの出番なんで、私は専ら「エア派」です。
ピストンシールとダストシールをはずしてキャリパーをガソリンで洗浄。シリンダー内壁にカビのようにゴミがへばりついてるときは、ホームセンターで売ってるドリルの先に付ける3本タイプの砥石で研磨しましょう。あんまり磨くと組んだときフルードがモレるので注意が必要です。

フロントブレーキパッドの残量は1mmでした。写真分かりますかね?

向こう側のキャリパーはオーバーホール済み。光ってるでしょ!

左は今までのもの、右は新品です。やっぱ新品はキレイですな。

で、エア抜きです。フルードは今回もDOT4。
 
完成!あー気持ちいい。

 

今回はフロントキャリパーのOHだったわけですが、実は過日リアブレーキパッドを交換したときはOHしなかったんですよ。で、近いうちに今度はリヤキャリパーをバラしますんで、写真については乞うご期待ください。