脳血管疾患・心疾患・精神障害等 過労死・後遺障害の労災・損害賠償手続きマニュアル


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第14号 2005年5月10日 発刊


 

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脳血管疾患・心疾患・精神障害等
☆〓過労死・後遺障害の労災・損害賠償手続きマニュアル☆〓
2005年5月10日発行 No.14 週刊
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 5/11 過労死・後遺障害【メルマガ】 No.14 発刊
 5/11 国民年金の障害年金 追加しました。【HP】
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▼【国民年金の障害年金】

神戸労働法律研究所 社会保険労務士のやぎです。前回は障害年金
手続についてお話しました。今回は国民年金の障害年金についてお話
します。


■国民年金の障害年金
前回の障害年金手続でお話した通り、国民年金の障害年金(以下、
障害基礎年金)は、自営業者と会社員や学生のための障害年金です。
(会社員の方は次回で紹介する厚生年金の障害年金(障害厚生年金)
を参照ください。

また、共済組合に加入されている方は共済組合の障害年金(障害共済年金)
となります。)

■障害基礎年金はどうすればもらえるか?

障害基礎年金を受給するには、所定の要件を満たした上で社会保険事務所
に受給申請をする必要があります。

所定の要件に該当しなければ障害基礎年金は受給できません。
労災の場合は、会社が労働保険料を全額負担で国に支払い、死亡や所定の
障害状態に該当したときに受給できます。
労働者保護の観点から、万が一会社が労災未加入であったとしても特例的な
救済措置により事後労災に加入することができ、労災補償が行なわれます。

事後の加入になることから『保険の逆選択』(事故があってから保険に入ること
を認めると、事故がない人は保険に入らなくなってしまい、保険の相互扶助に
よる救済効果がなくなる。⇒保険財政が破綻する。)を認めることになり、
通常ありえない措置ですが、国としては、働いた瞬間から従業員は労災保険
の適用であり、労基法上の会社の災害補償の観点から見ても従業員に対して
は補償すべきとのことからこれを認めています。

これは、従業員からすると、従業員自身は保険料負担がなく、当然加入して
いるものと思っていても会社側の隠匿により、労災未加入であった場合は
会社としての責任はあるが、従業員の責任はなしとの見方をするためです。
ただし、この場合、当然会社に対しては追徴的な労災保険料は課金されます。

このようにして労災の場合は事後加入が可能であり、労災補償がなされます。

一方、今回テーマとなる障害基礎年金は国民年金の被保険者に対して支給
される制度です。当然といえば当然ですが、国民年金の被保険者でない
(20歳前の未成年者、老齢年金の受給資格者、厚生年金・共済年金の
被保険者を除く)方には支給されません。

我が国は昭和36年に国民皆年金制度が構築されました。
原則20歳以上60歳未満の日本国内に住んでいる方は、何らかの社会保険
制度に強制加入しており、所定の障害状態に該当すれば、何らかの社会保険
制度から障害年金を受給することができます。

余談ですが、難民保護法の制定により国籍要件も撤廃され、受給するには
日本国民である必要はなく、日本に住居を有していれば我が国の社会保険
制度の対象者となります。

この社会保険制度から支給されるのが、障害基礎年金、障害厚生年金、
障害共済年金です。
よって、日本国内に住んでいればこれらの障害年金は受給できるのですが、
なかには受給できない方もいます。

これが最近よく報道されている国民年金未加入者です。
本来強制加入が原則ですので、先にお話した原則20歳以上60歳未満の
自営業者は国民年金制度に加入しています。
ただ、保険料を滞納していたり、手続きを怠っているなどして保険料を支払って
いない間に事故に遭遇した場合は、本来受給できるはずの障害基礎年金が
受給できなくなります。

もし読者の方で国民年金を未納・滞納されている場合は、納付手続き
するか、家計が苦しい場合は免除申請ができますので、速やかに手続き
されることをお勧めします。

年金とは老後にもらえるものばかりではなく、障害や死亡した場合にも支給
されるものです。
民間の生命保険に加入する前に公的保険を今一度見直してみてください。

では、具体的に障害基礎年金の支給要件をみていきましょう。
障害基礎年金は次の1)〜3)のすべてを満たした方が受給できます。

 1)初診日において次のいずれかに該当していること。
   ・被保険者の方。
   ・被保険者であった方で、日本国内に居住する60〜65歳未満の方。
 2)障害認定日に、その傷病により障害等級1級または2級に該当して
  いること。
 3)初診日の前日における保険料納付要件を満たしていること。

3)の『初診日の前日における』とは、少なくとも傷病を負う日の前日に
国民年金に加入していないと障害基礎年金はもらえない(上記の
『保険の逆選択』)という意味です。

また、『保険料納付要件』とは、被保険者期間のうち、保険料を納付した
期間+(もしあれば)正式な免除期間を合算した期間が少なくとも2/3以上
ないと障害基礎年金はもらえないという意味です。
(ただし、特例的な措置により、当分の間は過去1年間に国民年金保険料
の滞納がなければ保険料納付要件を満たしているとされます。)

いずれにしても従業員の方で会社が厚生年金に加入している場合は、
自動的に上記の国民年金の保険料納付要件は概ね満たしていると
いえます。

今回は、労災請求にからめた解説ですので、国民年金の被保険者でない
未成年者の方に支給される20歳前障害基礎年金については割愛します。
お知りになりたい方は個別にご連絡ください。

障害基礎年金は、労災申請とは届出先も異なります。

申請の種別   届出先
労災    → 労働基準監督署
国民年金 → 社会保険事務所
厚生年金 → 社会保険事務所

■労災と社会保険では障害等級が異なることがある。

同一の障害を負ったのに、社会保険事務所と労働基準監督署の裁定した
障害等級が異なることがあります。これは、障害基礎年金、障害厚生年金
の障害等級は社会保険事務所の選定する医師が等級づけを行ない、労災
の障害等級は労働基準監督署の選定する医師が等級づけを行なうために
生じています。

大きく差がつくことはないにしても労災で障害等級2級であったとしても
障害基礎年金、障害厚生年金で障害等級3級ということがしばしばあり
ます。
これは、診断のタイミングのズレや医師の所見に差があることが要因
ですが、この決定に不服がある場合は不服申し立てができます。
(不服申し立てについては改めて解説します。)

次回は、厚生年金の障害年金(障害厚生年金)についてお話してまいり
ます。

障害基礎年金の受給要件についてお話しましたが、実際はご自身で
理解して進めるとなるとかなり厄介ですので、社会保険労務士か
社会保険事務所で確認することをお勧めします。

また、当職では初回無料のご相談メールも受けつけておりますので、
活用してください。

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▼【コラム】

前回は派遣就業について解説しました。
今回は来年4月に予定されている定年年齢の引き上げについてお話します。

みなさんは定年年齢が何歳かご存知でしょうか?
経営者の方はご存知の方が多いですが、従業員の方はたまに55歳が定年
と勘違いされている方も結構多くいらっしゃいます。現在の定年年齢は60歳
なんですね。

具体的には、高年齢者雇用安定法で『定年の定めをする場合は60歳を
下回ることはできない』と規定されています。
会社と従業員の間には労働契約(=雇用契約)という契約が発生してい
ます。

労働契約は、期間の定めのあるものとないものの2つがありますが、
通常、正社員として入社した場合は、期間の定めのない労働契約となり
ます。
また、パート、アルバイト、契約社員の方は期間の定めのある労働契約
であり、契約期間は6ヶ月、1年などと決めて就労することになります。

期間の定めがない場合(正社員)であっても労働の終期を定年年齢と
することで、労働契約を終了(退職)するという順序になります。
この定年年齢を決めるにあたって、現行法では60歳を下回ることはでき
ない(60歳未満はダメ)と規定されているのです。

この定年年齢が、来年の平成18年4月から62歳に引き上げられます。
引き上げは平成25年までに渡り段階的に行なわれ、最終的に65歳と
なります。

もう少し詳しくいうと、
 ・定年を(段階的または一気に)65歳にするか、
 ・65歳までの継続雇用制度を導入するか、
 ・定年の定めをなくすか
のどれかにしないといけません。

いずれにしても、就業規則で定年退職日を60歳の誕生日とするとして
いる会社の場合で来年の平成18年4月1日時点で60歳になる方
(現在59歳の方)は、段階的に定年が引き上げられることで(62歳では
なく!)63歳まで就労可能ということになります。

この改正は、厚生年金の支給開始年齢が60歳から段階的に65歳まで
引き上げられており、定年年齢の引き上げを厚生年金の支給開始年齢
と合わせたことで、年金を受給できない期間、働いてもらおうとするもの
です。

定年年齢は60歳であるということを知っている経営者の方は多いんです
が、来年4月から62歳に引き上げられることを知っている経営者は少ない
です。
経営者が知らない以上、会社の就業規則も変更されることはなく、来年
4月になっても60歳で「定年退職」される方が出てくるかもしれません。

もっとも、直近になればマス媒体で報道されるでしょうが、定年間近の
方は今のうちにチェックされることをお勧めします。

経営者の方は、来年4月前の時点で就業規則の変更が必要になります。
顧問社労士がいない会社は、なるべく早めにお近くの社労士にご相談
されることをお勧めします。

就業規則はあなたの思いを照らした会社のルールブックですので、
作成、変更にあたっては、あなたの思い入れを社労士に伝えてください。
そうしないといいものはできません。


就業規則の作成、変更を安く済ませようと思うなら、本屋に売ってるのを
そのまま自社名をつければ、ハイ出来上がり!ですが、はっきりいって
かなり危険な行為です。(というか無謀です)

当職では、お客様企業の思いにマッチした内容の就業規則の作成、
変更を行なうことで評価頂いております。
ご相談の際は、当職までメールまたはお電話かFAXでお気軽に
ご相談ください。

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─────────────(ノ ̄▽ ̄)ノ 以上、コラムでした。
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  次回第15号は5/17(火)午前11:00頃の発刊予定です。乞うご期待ください!
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編集/発行:神戸労働法律研究所

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